2026/05/03 13:42

十数年前のことです。昨日まで何ともなかったのに、ある朝突然、髪が全然乾かなくなりました。ドライヤーをかけても、かけても、なんかべたっとしている。重い。

正直、怖かったです。何かが起きたのかと思って。

すぐに美容師の友人に相談したところ、教えてもらったのが(今も聞き慣れないですが)「ビルドアップ(皮膜毛)」という言葉でした。

市販のシャンプーやトリートメントには、手触りをよくするためにシリコンが配合されています。それ自体は悪いものではないけれど、毎日少しずつ髪の表面に蓄積されていくと、ある日突然「乾かない・重い・べたつく」という状態になる。それがビルドアップです。

「いきなり」に見えるけど、実は長い時間をかけて積み重なった結果。思い当たるふしがありすぎて、少し戸惑ってしまいました。


そのとき友人に勧めてもらったのが、美容専売品のシャンプーとトリートメントへの切り替え。使い始めてしばらくすると、あの不思議な重さはすっかり消えていました。事なきを得たのですが、あの朝の恐怖は今でもよく覚えています。

そしてあれから十数年。エステティシャンとして、そして旅をして理解したこと。

「皮脂の汚れは、脂で落とす」という考え方です。これはインドのアーユルヴェーダの知恵。頭皮の余分な皮脂汚れには、オイル系のクレンジング成分がとても相性がいい。洗えば落ちると思いがちですが、汚れの性質に合ったケアをすることで、頭皮も髪も本来の状態に近づいていきます。

髪のことって、毎日のことだからこそ、つい「これでいいか」と流してしまいがち。でもあのときの経験があってから、わたしは成分を少し気にするようになりました。

小さな積み重ねが、ある日突然あらわれる——髪も、きっとちゃんと見てほしいと思っているのかもしれません。

— Nozomi ☺︎